ヴィッセル神戸が三浦監督を解任した流れで体制を一新し、監督は内部昇格で暫定、スポーツダイレクター(SD)に前ヴェルディ監督の永井氏が就任しました。
他所様のお家事情ではあるけど、これをJリーグが認めるなら、Jリーグが社会から認められない日が来るかもね…との思いから私見を書いてみました。
【トップチーム 体制変更のお知らせ】
— ヴィッセル神戸 (@visselkobe) 2022年3月21日
リュイス ヤングプレイヤーデベロップメントコーチが監督を務め、暫定的に指揮をとります。
また、永井秀樹氏がスポーツダイレクターに就任することが決まりました。
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永井秀樹氏はヴェルディ川崎を始め各クラブを渡り歩いたプレーヤーで、私も歳が近くてよく覚えてますが、Jリーグ創成期のスタープレーヤーの一人でした。
その後東京ヴェルディの監督になり、クラブは大変な低迷時代から少し脱出しつつあるな…な印象でした。
ところが昨年週刊誌の報道などからパワハラが発覚して辞任。
その後クラブが調査したところパワハラが認められて、クラブが処分される形になってました。
辞任した後の決定なので個人は処分されてなかったけど、JFA日本サッカー協会は今年3月になってから去年12月以降のS級ライセンスはく奪処分を行うとして、同時に今年1年間に定められた社会奉仕活動を義務付けました。
そしてなんと、その資格停止決定の11日後にヴィッセル神戸のSD就任が決定。
現場ではなくフロントの要職なのでルール上は問題なく、クラブに自浄作用が働かなければこのまま就任が覆ることは無いでしょう。
当然ながらSNS上では意見や批判が殺到し、それに対して三木谷会長の回答がこれです。
ヴィッセル、永井氏の強化責任者起用に波紋 三木谷会長「セカンドチャンスを」https://t.co/j2T3zsPMmX
— 神戸新聞 (@kobeshinbun) 2022年3月22日
おそらく、ほとんどの方がセカンドチャンスについては疑問視してないけど、何故今?というのがまず一つ。
ヴィッセルは昔からヴェルディとの関係が深いクラブで、その延長上のしがらみからくる人事だろうけど…
すぐセカンドチャンスを与えるにしてもせめて管理される側のポジションに就くべきで、SDは全ての選手やスタッフに影響を与えるのでいつでも再発する可能性がある。
そして他に数多の選択肢があるはずなのに、そこに処分が決定したばかりの永井氏をわざわざ起用するというのは意味が分からない。正直現代社会の会社組織としてはあり得ないといっていいでしょう。
ヴィッセル神戸も例外ではなく、楽天グループ100%とはいえ”楽天ヴィッセル神戸株式会社”。
一般的に現代の会社は法令順守・ハラスメント根絶を謳っていて、それはステークホルダー(利害関係者)との共存を図るうえでも絶対条件のはず。
ましてや地域密着が命綱のJリーグクラブには普通の企業以上にそこが求められてるはずで、有り体に言えば少なくとも体裁は整えるものです。
そこを素直に発表しちゃうのは、三木谷さんが開き直ってるのか、クラブも永井氏もハラスメントの重要性を理解してないのか、クラブがなあなあになってしまってるのか…
ただ、ここまでならヴィッセル内部の問題で、スポンサーやサポーターが離れても選手が来なくなっても自業自得、槙野や汰木は辛かったら帰ってらっしゃい…(^-^;な話ですが、たぶん最大の問題はJリーグ全体としてのイメージ問題になるかもということ。
Jリーグは放映権や著作権等を一括管理していて、そこで得た利益を各クラブに配分し、レプリカユニフォーム等のグッズもJリーグのマークが付いていて、いわゆるライセンス商売をしてます。
私個人的には反対ですが、ここでその部分を指摘するのではなく…
良くも悪くもJリーグと各クラブは運命共同体の船に乗り込んでるので、ヴィッセル神戸が会社として社会に認められないとなれば、Jリーグのスポンサーが会社のルールとして取引停止を通告してくる可能性もあります。
そこに感情が入る余地は無く、スポンサー会社もそれぞれの株主やステークホルダーに対して説明が出来ないから粛々と通告するだけ。
それが現代社会として当たり前の反応だと思います。
Jリーグという船を構成する1部署ヴィッセル神戸はハラスメントOKと宣言してしまったので、降りたくなる人が続々出てくるのも当たり前。
(レッズも似たような事を経験してますが(^-^;今回の件は代表者が堂々と宣言してしまってる点で違うかなと(^-^;)
また、サッカーに限らずパワハラが蔓延る日本のスポーツ界で、これからの子供たちはまだマシなスポーツを選択していくかもしれません。
個人的にサッカーは上下関係があまり厳しくないイメージで、むしろハラスメントが起こりにくいと思ってただけに、何でわざわざ日本の悪しき習慣に染まろうとするのか理解不能です。
それでも前述の通り、ルール違反でないこの行為に対してJリーグは何もできないし、やろうともしないでしょう。
コロナ禍の対応でも三木谷さんから正論でかなり文句を言われてるし、やり返されるのが分かり切ってるし。
ルール上問題無ければ、ハラスメントだろうが非道徳的だろうが何でもあり。
ルール違反なら、悪意ゼロで自己申告しても得点を正式に取り消される。
こんなリーグに明るい未来があるとはとても思えません。
そしてこういう話題になると必ずこの結論になりますが、最終的に被害を受けるのはサポーターや選手監督コーチやクラブのスタッフや地域社会の人たち。
だから99.9999%解決されることは無いという、ごくごく当たり前の、絶望的な結論になってしまうんだけどさ…(+_+)